プロジェクト88、始動。
あなたの名前を、氷の上に連れていく。
フィンランドの春は、突然やってくる。
昨日まで灰色だった空が、ある朝ふと明るくなっている。日が沈まないまま夜になる。街の人たちが外に出て、日光を浴びながら笑っている。冬の長さを知っているから、この季節の光が、余計に眩しく見える。
17歳のとき、初めてこの国に降り立った僕は、そういう場所でアイスホッケーを続けることを選んだ。
誰かに勧められたわけじゃない。ここに「自分が試されるべきリンク」があると思ったから来た。それだけだった。
あれから10年以上経った今も、僕はまだここにいる。
はじめに─ヘルシンキの夜に、もらった言葉─
先日、ヘルシンキで開かれたイベント「Jipangu」と、フィンランド日本人商工会の集まりに参加した。
どちらも、フィンランドに住む日本人が集まる静かで密度の高い夜だった。医療、建築、教育、ビジネス。全然違う世界で生きている人たちが、同じ空間に集まって言葉を交わす。普段リンクの上でしか生きていない自分にとって、こういう場は「学びの場」だ。
その夜、たくさんの方から声をかけていただいた。
「杵渕くん、応援してるからな。」
異国の地で、日本語でそう言ってもらえる。当たり前のようで、全然当たり前じゃない。フィンランドに何年いても、この言葉の重さには慣れない。むしろ、年を重ねるごとに、その重さをより深く感じるようになっている。
ヨーロッパのプロリーグで、これほど長くプレーし続けている日本人選手は、自分だけだ。それは自慢じゃなく、ただの事実として受け止めている。だからこそ、「自分にしかできないことがある」という確信が、年々強くなってきた。
その夜を境に、僕は自分自身の活動支援プロジェクトについて、もう一度最初から考え直すことにした。
1. 中途半端なままにしたくなかった。
正直に言う。
これまで、応援してくださる方の名前を練習着に刻む企画を進めてきた。
でも、当初の形には引っかかりがあった。
練習着や、オフシーズン限定の掲載。
それは確かに「名前を載せる」ということではあった。
でも、試合のリンクに立つ自分の姿を想像したとき、何かが足りない気がしていた。
最初に手を挙げてくれた12名の方々がいる。
あの人たちの応援を受けながら、「何か」をずっと考えていた。
答えは魂がこもる場所は、試合着だ。
練習着には、準備が宿る。
でも試合着には、覚悟が宿る。
緊張が宿る。
プレッシャーが宿る。
勝ちたいという、剥き出しの欲望が宿る。
応援してくださる方の名前は、練習のためではなく、勝負のために着る試合着に刻まれるべきだ。それが本当の意味で「共に戦う」ということだと、僕は思うようになった。
中途半端なままでいたくなかった。
2. 背番号88に込めた覚悟。
僕の来シーズンの背番号は、88だ。
末広がりの数字。どこまでも広がり続ける可能性。
自分なりにそういう意味を重ねながら、この番号を背負ってきた。
フィンランドのリンクに立つとき、背中の88を見て何かを感じてくれる人がいる。
日本からSNSで応援してくれる人がいる。試合会場まで来てくれる人がいる。
その数字に、もっと意味を持たせたかった。
だからこそ、このプロジェクトの目標人数を88名にした。
88人の名前を背負って、リンクに立つ。
それは単なるサポートの形じゃない。
一つのチームとして、次のシーズンを戦うということ。
プレッシャーのかかる試合がある。うまくいかない夜がある。それでも前に進まなければいけない瞬間がある。そういうときに、ユニフォームに刻まれた名前が、確かな重さになると信じている。
一人でできることには、限りがある。
でも88人のチームなら、話が違う。重さが違う。
3. プロジェクト88とは。
■ 参加条件 一口:60€ (複数口歓迎。ただし試合着への氏名刻印は1人1枠)
目標:88名限定
申し込み締め切り:2026年6月30日(火)
■ リターン内容
🏒 来シーズンの公式試合用着への氏名刻印 :僕が実際に試合で着用する試合着に、あなたの名前が入ります。
88名全員の名前を一つのグラフィックデザインとして制作し、試合着に貼り付けてリンクに立つ。試合中、僕の体には88人分の想いが宿っている。それがプロジェクト88の、目に見える形だ。
🔑 限定キーチェーン :プロジェクト88の参加者だけに届く、特別な一品。
📱 月1回のオンライン活動報告会(5月末スタート予定) 試合の裏側、日々のトレーニング、フィンランドでの生活。言葉にしてきた以上のことを、直接お伝えする場を作る。
💬 限定コミュニティへの参加権 :同じ想いを持つ88名が繋がる場所。
📸 試合会場での記念撮影:もし現地に来てくださる機会があれば、リンクのそばで一緒に写真を撮りましょう。Savonlinnaへの日本人ツアーも企画中です。
📩 週刊メルマガ(Substack):活動報告を週に一度、文章に残していく。
※ひとつ、正直にお伝えしたいことがあります。
氏名の刻印場所については、チームの方針や規則によって変わる可能性があります。万が一、試合用ユニフォームへの掲載が難しい場合は、パンツカバーまたはスケートへの刻印という形で対応する予定です。
いずれの場合も、僕が実際に試合で使用するものに、あなたの名前が入ることに変わりはありません。
4. 異国の地で、日本語で応援してもらえるということ。
当たり前のことではあるが、フィンランドのアイスリンクには、日本語が流れない。
チームメイトとはフィンランド語で話す。
コーチの指示も、サインも、全部フィンランド語だ。
そういう環境で何年も生きていると、「日本語で応援してもらえる」ということの意味が、じわじわと染み込むように分かってくる。
Jipanguの夜、何人もの方が日本語で話しかけてくれた。ヘルシンキで暮らす日本人が、わざわざ足を運んで、「応援してるよ」と言ってくれた。
その言葉が、どれだけ遠くまで届くか。
フィンランドのアイスリンクに立つとき、それを胸に持っていける。
ヨーロッパのプロリーグで、これほど長く戦い続けている日本人選手は今の自分だけ。その事実が誇りになる日もあれば、重荷になる日もある。でも、「自分にしかできないことがある」という確信だけは、揺らいだことがない。
日本とフィンランドをつなぐ選手として、アイスリンクの上で証明し続けることが、今の自分の使命だと僕は思っている。
5. 共に、氷に立つ。
88人の名前と共にリンクに立つ姿を、もう何度も想像している。
試合前のロッカールーム。試合着を着るとき、そこに刻まれた名前たちを見る。一人ひとりの顔が浮かぶわけじゃないかもしれない。でも、その重さは確かに感じる。
それが、力になる。
応援の形は人それぞれだと承知している。距離があっても、タイミングが合わなくても、それぞれの事情がある。このお願いが全員に届くとは思っていない。
ただ、もし「このプロジェクトの一員になりたい」と思ってくれるなら、ぜひ一緒に戦ってほしい。
あなたの名前を、氷の上に連れていく。
申し込み・詳細はこちら ←
申し込み締め切り:2026年6月30日(火) ※88名に達した時点で募集を終了します。
Jojo / 杵渕周真


